「部下はあなたを見ています」部下を成長させる上司になるために|2016年|ニュース&コラム|マイナビエグゼクティブエージェント
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「部下はあなたを見ています」
部下を成長させる上司になるために

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部下の育成に悩む経営者・管理職が増えている

経営者や管理職の仕事を時間軸で分けてみると、大きく2つに分けられます。ひとつは「現在の問題」に対する仕事、もうひとつは「将来の問題」に対する仕事です。

現在の問題への対処が必要であることは言うまでもありませんが、将来の問題への対応も大事です。いや後者の方が前者の何十倍も大切かもしれません。というのも「上に立つ者の仕事は目先の問題を処理することではなく、先を見据えて今から手を打っておくこと」だからです。

先を見据えた仕事の中に「部下を育てる」があります。「人財」という言葉が表すように、企業にとって人は財産。次代を担う社員を育てられるかどうかで上司としての評価も大きく変わってきます。

斯様に大事な人材育成ですが、それは簡単に出来ることではありません。実際、多くの企業で部下の育成に悩む経営者や管理職が増えています。

そんな時、多くの経営者や管理職は

  1. スクールなどで理論を学ぶ
  2. セミナーへ行きノウハウを入手する
  3. ビジネス書を読み指導トークを真似てみる

などを実践しています。

なぜ部下の育成がうまくいかないのか

セミナーに行ったり、ビジネス書を読んだりして勉強しても、現実はなかなかうまくいかないという人が多いようです。
「試してみたけどどうも…… 人を育てるのは本当に難しい」などという声を聞くことも少なくありません。
多くの経営者が「なぜだろう?」と悩み、多くの管理職が「他に何をすればいいのだろう?」とこぼします。

企業の人材育成部門も何とかしようとしています。そのような企業から、私は原因の分析や解決策の立案を依頼されることがあります。

そんなとき、最初にやるのが現状調査。コンサルタントとして現場へ行き、ファクトファインディングを行います。

すると、見えてくる「発見」があるのです。
ファクトを添えてクライアントに報告するこの「発見」。何だと思いますか?

それは「部下育成の前段階」ができていない、という事実です。

部下を“成長させる”上司になるための部下育成基本術

理論を学び、やってみる。ノウハウを仕入れ、試してみる。トークを覚え、使ってみる。でもその通りにならない。

手を変え品を変え奮起一番しているのに部下に伝わらないのは、この「前段階」ができていないからです。
実際、私が現場で見た「できていない前段階」をいくつか紹介します。

  1. 部下に「仕事を下に丸投げするな」と言っておきながら、自分も丸投げしている。
  2. 部下に「苦手を克服しなさい」とアドバイスしておきながら、自分は自分の苦手を克服しようとしていない。
  3. 部下に「完成したら私に提出しろ、納期厳守で」と命じておきながら、自分は(自分の上司から依頼された)書類の納期を事情があったからと言い訳し、守らない」

上司がこんなことをしていたら、部下に伝わるわけがありません。

部下を育成する時に大切なのは、理論やノウハウでもって諭すことではありません。前段階である「自分がきちんとやる」ことで、実践している姿を見せるようにしましょう。

そうなってはじめて、理論やノウハウにも納得して耳を傾けてもらえるようになるのです。

※この文章は、中沢努「思考のための習作」の内容をコラム用に書き換えたものです

AUTHOR中沢 努(パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー代表)

「お客様を深く考えさせる」会社の代表。世界報道された違反企業の再生支援なども行う。早稲田大学文学部で哲学を学び卒業後、同時通訳訓練を受ける。事業会社を経てアーサーアンダーセンへ。組織や人事に関する各種コンサルティング活動に従事。2005年にパンセ・ソバージュ・アンド・カンパニーを設立。現在は経営会議などのアドバイザリー、コンプライアンスやリベラルアーツ教育のコンサルティング、研修や講演も行う。

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