新規上場企業の増加により活性化するエグゼクティブ層の転職市場|2016年|ニュース&コラム|マイナビエグゼクティブエージェント
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新規上場企業の増加により活性化する
エグゼクティブ層の転職市場

コラム

株価上昇に伴い新規上場企業数が増加

2015年12月上旬に発表された7~9月の実質GDP成長率は年率1.0%となり、速報値から上方修正されました。2015年は前年と異なり、景気動向が上向きであることが、統計上確認されたと言えます。

また、GDP成長率以外の経済指標も好転していることが確認できます。労働市場に関する指標である完全失業率と有効求人倍率も良好な数値です。2015年10月実績で完全失業率は3.1%に低下しており、有効求人倍率も1.24倍と高い水準にあります。

同時にもう一つの経済指標である株価も上昇しています。2015年4月、日経平均は15年ぶりに2万円を突破しました。

一般的に株価が上昇すると、資金ニーズを持っている新規上場企業が増加します。
15年前の2000年はITバブルの最中であり、IT関連ベンチャーの新規上場企業が増加しました。2015年も株価の上昇に伴って新規上場企業が増加しています。

新規上場企業の成長に伴い拡大する人材ニーズ

2015年の新規上場企業は金融危機発生前の2007年以来、8年ぶりに100社を超えました。これは前年と比較すると25社以上の増加になります。

企業にとっては上場することは一つの目標達成になりますが、同時に新しいスタートにもなります。上場することで、企業の知名度は高まり、資金を集めやすくなることに加えて、優秀な人材を採用しやすくなるからです。

また上場した以上、四半期単位の業績開示が必要になり、その情報が株価に反映されるようになります。そのため安定して好業績を上げることが求められ、優秀な人材を採用する必要性も高まります。

今年の新規上場企業の特徴は、6割以上が新興市場である東証マザーズで上場していることです。
東証マザーズに上場する企業の中には、急成長を遂げることで一気に東証一部に駆け上がる企業もあります。

実例として、2012年に東証マザーズに上場して2年後に東証一部へとステップアップした、バイオベンチャーのユーグレナが挙げられます。

エグゼクティブ層の転職市場も活性化

ユーグレナのように急速に業績を拡大させている企業にとって、的確な経営判断ができる経験豊富なエグゼクティブに対する人材ニーズは大きいです。

また、別の側面から、エグゼクティブ層に対する人材ニーズを大きくしている要因として、「コーポレートガバナンス・コード」の適用が挙げられます。

東京証券取引所は、2015年6月に一部と二部の上場企業を対象に、コーポレートガバナンス・コードの適用を決めました。

これにより、東証一部と二部の上場企業は、複数の社外取締役を選任することが必要となり、これがエグゼクティブに対する人材ニーズを高める一因になっています。

当面、大学教授などの著名人や、公認会計士などの肩書を持つ人材が社外取締役に選任されるケースが目立つでしょう。

しかし、さらなる業績拡大が見込まれている現状から鑑みると、今後は各企業の特性に合致するエグゼクティブの人材発掘が進み、エグゼクティブ層を対象とした転職市場も活性化することが予想されます。

AUTHOR山田 豊文(やまだ とよふみ)

1985年、株式会社日本能率協会コンサルティングに入社して以来、約30年間、経営コンサルティング及び人材育成に従事。2012年に独立、現在は株式会社プロセスイノベーションの代表取締役。東証一部上場企業から中小・ベンチャー企業、メーカー、商社、ITベンダー、サービス業など様々な規模や業種の企業を幅広く支援。得意なテーマは営業力革新、事業計画立案、コーチング。複数の部門を横断的にプロジェクト展開することによって、3年以上にわたる中長期な支援の実績が多い。中小企業診断士、キャリア・コンサルタント。

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