外資系エグゼクティブ層の
転職事情を垣間見る
外資系エグゼクティブ層にとって転職の意味するところは?
現在、特に外資系では転職が特別なことではなくなっています。
しかし、会社の経営に携わるエグゼクティブという立場でありながら、転職に踏み切るとしたら、そのきっかけ、背景にはどのようなことがあるのでしょうか。
まず、転職に踏み切る自主的な理由としては、
- エグゼクティブサーチ会社等から条件の良い提案があった
- M&A(企業の合併・買収)など社内の事情で、自分のポジションに大きな影響がでる恐れがある
- 会社の経営方針と自らの目指す経営理念にずれが生じてきた
などが考えられます。
自主的でない理由としては、リストラが挙げられます。また、部門などの業績不振の責任を取っての退職、という事例も多くはないものの、あるかと思います。
リストラで有名なものといえば、日本IBMが1990年代から実施されだした、早期退職プログラムがありますが、このリストラの結果、日本に参入したばかりの外資系IT企業の代表に日本IBMのエグゼクティブ層の退職者が経営のプロとして次々と就任したのは記憶に新しいところです。
エグゼクティブにとっての転職事情。転職しやすい業種とは?
業種・業界によって同業内での転職がしやすい場合とそうでない場合があるように思われますが、実際のところはどうなのでしょうか。
同業内での転職がしやすい例の代表的なものとして、よく言われるのは人事部門のマネジメントでしょう。人事に関しては外資系製造業という範囲内でも人材の動きがよくみられるようだと、外資系製造業勤務の方から聞いたことがあります。
特徴としては、人事部門ということもあって、求人サイトなどで公募が行われることはまれで、通常は就職エージェントやエグゼクティブサーチ会社を通じての紹介、あるいは人からの紹介ということが多いようです。
業務についても、外資系製造業・管理部門のマネジメントということで会社が違っても共通点があり、今までのマネジメント経験がそのまま生かせるのが利点ではないでしょうか。
結局、エグゼクティブにとって転職はプラスになっている?
さて、現在の高いポジションを捨ててでも転職するエグゼクティブにはいったい何が起こっているのでしょうか?
転職に踏み切る方の様子を見ていると、現在の高いポジションを失うことになるという後ろ向きな考え方より、自分の能力が発揮できる場所を目指すという前向きな考えの方が多いように思えます。
また、当然のことながら報酬面も気にはするでしょうが、目先の数字にはとらわれず、自分の経営手腕を生かせる新しい場所という視点で動いている印象を受けます。
そういった意味では、価値観の変化が起きていると言えるかもしれません。
このような形での転職は、エグゼクティブ本人はもちろん、元の勤務先、転職先にもプラスになっていると言えるのではないでしょうか。