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コンサルティング業界の現在、過去、未来

コラム

成熟期にあるコンサルティング業界

コンサルティング業界は現在、事業のライフサイクルにおいては成熟期にあります。成熟期では業界の競争が激しくなる一方、顧客から見た場合に斬新な商品やサービスが生み出されることが難しくなります。日本でコンサルティング業界が成長期にあった頃、外資系コンサルティング会社は顧客企業に大きな影響力を持っていました。外資系コンサルティング会社が開発したポートフォリオ・マネジメントなどの手法は顧客企業にとっては斬新であり、高く評価されていたからです。

しかし成熟期となっている現在では、顧客企業はコンサルティング会社に期待できることを、的確に判断するようになっています。さらにAIやビッグデータの活用が進むことによって、その影響を受けることも予想されます。日立製作所はコンサルティング部門を強化して顧客向けサービスを充実させようとしています。今後は競争環境や顧客企業からの評価が一層、厳しくなっていくことが確実です。

コンサルタント1人1人の力量が重要

コンサルティング会社は顧客企業とあるテーマでコンサルティングを行う場合、プロジェクト・チームを編成します。コンサルティング会社で活躍する場合は、まず参加したプロジェクトが成功することが条件となります。そして顧客企業にとってコンサルティング会社に期待する内容に基づき、コンサルタント1人1人の貢献をしっかりと評価します。そのためコンサルティング業界で成功するためには、個人としての存在感を示して、顧客企業のキーパーソンから力量を認められることが必要になります。

ラグビーのイングランド代表ヘッドコーチのエディ・ジョーンズが、とても興味深い発言をしています。エディ・ジョーンズは『日本人の欠点はチーム全体の良い成績で満足してしまい、個人としてベストを尽くさないこと』と指摘しています。コンサルティング業界で活躍するためには、コンサルティング会社が持つノウハウを習得すること、参加プロジェクトの成功に加えて、個人の力量を高めることが必要です。

力量を評価されるための条件

個人の力量を高める方法に資格取得があり、経営コンサルティングに結びつく資格に中小企業診断士があります。中小企業診断士の試験は筆記中心で知識と文章記述に偏っています。コンサルティング・スキルは、対面でのコミュニケーションによって評価されるため、知識と文章記述の影響力は限られています。

対面でのコミュニケーション・スキルを磨くには現場経験が重要であり、ボス教育が効果的です。ボス教育とは、実力主義の集団でライバルに勝って新任のボスとなった人材が前任者を観察することを通じて、望ましい行動を身につける教育方法です。対面でのコミュニケーション・スキルは、自らが学ぶべき対象をみつけ、その一挙手一投足と顧客企業の反応を観察することを通じて高めていくことが効果的です。コンサルティング業界で個人の力量を評価されるためには、プロ意識を持って学ぶべき対象をみつけたうえで、ボス教育を通じてスキルアップしていくことが期待されます。

AUTHOR山田 豊文(やまだ とよふみ)

1985年、株式会社日本能率協会コンサルティングに入社して以来、約30年間、経営コンサルティング及び人材育成に従事。2012年に独立、現在は株式会社プロセスイノベーションの代表取締役。東証一部上場企業から中小・ベンチャー企業、メーカー、商社、ITベンダー、サービス業など様々な規模や業種の企業を幅広く支援。得意なテーマは営業力革新、事業計画立案、コーチング。複数の部門を横断的にプロジェクト展開することによって、3年以上にわたる中長期な支援の実績が多い。中小企業診断士、キャリア・コンサルタント。

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