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古典に学ぶ帝王学

コラム

帝王学の必要性と古典の効用

4月はエグゼクティブをはじめとして多くの人が昇格する時期です。昇格すると責任が重くなり、より多くのメンバーから信頼されることが期待されます。この期待に応えるためには、本質的なリーダーシップである帝王学を身につけることが必要です。帝王学を身につけるためには、まず「経験」がとても重要です。ここでいう「経験」には自分自身の体験と他人の経験があります。自分自身の体験は具体的であるために活用しやすい反面、情報が限られている、新しい環境では生かしにくいという側面があります。一方、他人の経験は幅広くさまざまな情報を入手できますが、どの経験が自分にとって有益であるかの判断が難しいという側面があります。

他人の経験から帝王学を学ぶためには、古典は最適な教材です。古典は長い期間、多くの人に読み継がれてきているため、その効用はすでに実証されているという安心感があります。また、エグゼクティブのなかには、すでに古典の内容を座右の銘として、自らの仕事に生かしている方もたくさん存在します。このコラムでは中国とヨーロッパの代表的な古典、孫子とマキャベリの君主論を紐解くことを通じて帝王学の要諦を確認していきます。

孫子に学ぶ役割とリスク

孫子は戦いに勝つためのノウハウですが、リーダーが果たす役割の重要性、そして心構えとしての帝王学も記述されています。リーダーが果たす役割の重要性は、勝つための5つの重要事項、五事から確認することができます。孫子における五事とは道、天、地、将、法です。道とは組織の進むべき方向性のことです。ビジョンや理念を明確にすることによって、組織の一体感をつくり出すことに該当します。天とは外部環境のことです。企業にとっては景気動向などが該当します。地とは戦場のことで、これは業界の特徴に当たります。将は、まさにリーダー、エグゼブティブのことです。法は戦い方、戦略です。孫子は、戦いでは双方の五事を比較して、優れている方が勝利すると主張しています。

また、孫子は将が避けるべき5つのリスク、五危を指摘しています。将の五危とは必生、必死、忿速、廉潔、愛民のことです。孫子は必生、つまり生き残るという意識が強すぎると捕虜になってしまうと説いています。必死は余裕がないこと、忿速は短気のこと。廉潔とは、きれい事と建前を言うことで、これにより侮辱されることや、馬鹿にされる心配があると主張しています。そして、最後の愛民が最も重要です。孫子は愛民、メンバーへの愛情が決断の妨げになるとしています。つまりリーダーは勝利のためには、メンバーに対して非情になることを求めています。

君主論から学ぶメンバーとの関係

孫子以上に非情になることの必要性を強調しているのが、マキァベリの君主論です。その内容から君主論には、権謀術数という印象がありますが、リーダーとメンバーとの関係における側近の人選、メンバーの意見の取り上げ方といった帝王学の要諦が含まれています。君主論では、側近の人選からリーダーの資質を判断することができるとしています。側近が有能であれば、リーダーの資質は優れており、反対に側近に能力がない場合、リーダーの資質も劣っているとしています。このことから、リーダーは側近の人選に十分に配慮すべきです。

君主論はリーダーがメンバーの意見を取り上げる場合、誰の意見をいつ取り上げるべきかということも説明しています。誰の意見を取り上げるべきか、ということについては国内の賢人を選ぶべきであるとしています。このことは前記の側近の選び方に直結します。いつというタイミングについては、リーダーがメンバーの意見を必要する時であり、メンバーが意見を言いたい時ではないとしています。メンバーが意見を言いたい時に自由に意見を言える状態は、リーダーの影響力を低下させる懸念があると説明しています。側近の人選とメンバーの意見の取り上げ方は、帝王学における重要な要素です。君主論の内容を踏まえて、メンバーとの適切な関係をつくり上げることが期待されます。

これらの帝王学を身に着けたエグゼクティブが、有用な人材として求められているといえるでしょう。

AUTHOR山田 豊文(やまだ とよふみ)

1985年、株式会社日本能率協会コンサルティングに入社して以来、約30年間、経営コンサルティング及び人材育成に従事。2012年に独立、現在は株式会社プロセスイノベーションの代表取締役。東証一部上場企業から中小・ベンチャー企業、メーカー、商社、ITベンダー、サービス業など様々な規模や業種の企業を幅広く支援。得意なテーマは営業力革新、事業計画立案、コーチング。複数の部門を横断的にプロジェクト展開することによって、3年以上にわたる中長期な支援の実績が多い。中小企業診断士、キャリア・コンサルタント。

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