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自分で考え・動く部下を育てるには良い質問を

コラム

部下と良い関係を築いていますか?

新年度から役職変わり、部下が増えた方、変わった方などもおそらくいらっしゃることと思います。上司として、部下とどのような関係性を持つかは仕事を進めるうえで非常に大切な要素ですが、どのような点に気を配っているか、具体的に述べられる方は少ないのではないでしょうか。
たとえば、良かれと思ってかけた言葉が、部下に誤解されてしまい身構えられてしまう、などといったことはよく起こります。

部下に対して「今できることは何?」と投げかけた質問が、上司が嫌味を込めて言った、と受け止められてしまうと、この問いかけは質問ではなく尋問となってしまうのです。これは、部下が自分は暇だと感じているときに起こりがちな例です。そういった思わぬ行き違いを防ぐために、上司としてできることは何でしょうか。

リーダーシップとは自分の考えを押し付けることではない

リーダーシップという言葉から、未だにトップダウン型に命令する「俺についてこい」タイプの上司像を連想する方もいるかと思います。
しかし、リーダーシップを発揮して部下の育成をする際に最も大切なことは、部下を変えることではなく、まず上司自身が接し方を変えることです。

今年4月に出版された河田真誠さんの書籍『革新的な会社の質問力』(日経BP社) によると、部下の力を引き出すための質問(同書の中ではひらがなでしつもん ― 相手のためになる良質な問いかけの意味 - と表記)のコツを6つ提案しています。ここでは、その6つのコツについて確認していきましょう。
まず、この6つとは、1. しつもんの目的を明確にし、相手の答えを大切に 2.相手のためにしつもんする 3.「いいね」と受け止める 4.口よりも耳を使う 5.盛り上がりを見逃さない 6.「好き嫌い」と「仕事」を分ける、です。

特に難しいのは、3の「いいね」と受け止める、ではないでしょうか。例を挙げると、部下に質問を投げかけて返ってきた答えを、「ちょっと違うかな」とついジャッジしたくなるかもしれません。しかし、それよりも、質問には部下の考えを引き出す目的があると忘れないことです。
もし、上司が部下の答えを聞いて「良い・悪い」でジャッジしてしまうと部下は思考停止に陥り、自分の考えではなく上司が気にいる答えを探そうとしはじめ、その時点で発想の広がりが望めなくなるのです。そこで、上司が思っている正解を求めるのではなく、もっと部下に広がりを持たせた業務をさせてみることで売り上げ増などに結びついた例は多数あります。

では部下に対してどう接するのが良いのでしょうか?

先述したように、尋問ではなくて「質問」をすることが効果を生むための秘訣です。
もしも、部下が上司の質問したことに対して答えにくそうにしているとしたら、上司が普段から「指示・命令」が多いということの表れでもあります。 
そこで、上司も無理をせずに、答えやすい質問から慣れてもらうと良い、と同書では述べています。 すなわち「はい」と「いいえ」で答えられるような質問をしていくことです。そうやって心理的な距離を少しずつ縮めていくうちに、部下の心の中には、上司は話を聞いてくれる、という満足感が生まれてくるのです。

良い質問を活用することによるさらなる効果

良い質問をすることは組織の閉塞感をなくし、上司・部下だけではなく社内全体が活気づく効果もあります。このことによってビジネスセンスも向上するとさえ言われているのです。
ここで、質問マインドと呼ばれる、「しつもん」をする際に求められる大前提としての7つのスタンスの中から、1つご紹介しましょう。

7つの中で特に私が重要だと感じたのは、「100%自分の責任」という考え方です。あくまでマインドの話なので、実際に全ての責任を負うわけではなく、より良い発想のためにこの考え方が有効だというわけです。
たとえば、企業で製品が売れないのは 製造部門のせい、営業部門のせい、とお互いに他部門のせいにしていても何も解決しません。
それよりも、一人一人が「今、自分にできることはないか」と発想してみること、不平不満を書き出して、自分にできることを考えてみることが、この「100%自分の責任」マインドを身につける早道なのです。

そうすることによって、相手を責めるのではなく、全体のためにできることを探す姿勢が生まれてくるのです。
質問をするために心がけるこのマインドこそが、組織全体が活気づくことにつながる考え方であり、今どの組織にも必要なものだといえるのではないでしょうか。

AUTHOR永田 美保子(ながた みほこ)

長年のエグゼクティブ秘書経験を生かして、2015年より在宅秘書育成コンサルタント、コラムニスト、著者として活動中。

著書「年収10倍アップの時間術」(クロスメディア・パブリッシング)

大学卒業後、自動車メーカー研究所・外資系消費財メーカーのバイリンガル秘書を経て、英国へ語学留学。その後フィンランド・ヘルシンキに駐在し定期航路大型客船にてキャビンアテンダントとして乗務。帰国後は外資系企業・合弁企業を中心としてエグゼクティブ秘書業務に2014年10月まで携わり、秘書歴は通算約20年に及ぶ。エグゼクティブ秘書として担当した外国人上司の出身地は英国・米国・台湾・ベルギー・カナダ・オーストラリアなど7か国(地域)以上にわたる。日本人役員付の秘書としては、一部上場企業の代表取締役専任秘書を担当。

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