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プロテニス選手に学ぶエグゼクティブに必要なストレス耐性

コラム

プロテニス選手とエグゼクティブの共通点

7月にテニスのグランドスラム(四大大会)の1つであるウィンブルドン選手権が開催され、ロジャー・フェデラー選手が史上最多となる8度目の優勝を飾りました。男子シングルスのグランドスラムで歴代最多19回の優勝、歴代最長世界ランキング1位の記録を誇り、技術だけでなくメンタルも強いといわれているフェデラー選手。彼に限らず、プロテニス選手は一流のプレーヤー同士の真剣勝負の中で、常にプレッシャーにさらされています。

テニスはメンタルスポーツといわれるほど駆け引きが多く、激しいプレッシャーの中で最高のプレーをする強いメンタルが必要になります。フェデラー選手のように常にトップレベルでプレーしているプロテニス選手に共通するメンタルの特徴として「ストレス耐性の高さ」を挙げることができます。

これは、日々競合他社の攻勢や厳しい事業環境の中で成果を出すことを求められるエグゼクティブにも通じるのではないでしょうか。

なぜエグゼクティブにはストレス耐性が必要なのか

従業員やステークホルダー、取引先など、ビジネスを行ううえでエグゼクティブが責任を抱える対象は多岐にわたります。エグゼクティブはさまざまなプレッシャーにさらされながらも適切な判断を行わなければならず、「ストレス耐性の高さ」が必要になります。

エグゼクティブがプレッシャーにさらされる場面の例として、自社で製造した自動車部品に起因する訴訟、食品への異物混入の発生、コンプライアンスに抵触する不祥事の発覚など、想定外の出来事があげられます。問題を起こしてしまった(もしくは疑いを持たれてしまった)企業のエグゼクティブは急に大きなプレッシャーにさらされ、その対応次第によっては企業の存続すら危ぶまれてしまいます。

近年ではSNSなどインターネット上のメディアを介して瞬時に全世界へ情報が発信されてしまうため、迅速に適切な判断を行えるよう、ストレス耐性の高さがエグゼクティブには必要になります。

このような場面で、エグゼクティブに求められるストレス耐性の高さは、一般的なストレス耐性(ストレスがある場合は気晴らしをして忘れる、ストレスを感じる仕事をできるだけ控える、ミスをしても自分の責任だと感じすぎない)とは性質が異なります。

エグゼクティブに求められるストレス耐性は、高い目標を設定して自分を追い込み、競争相手に打ち勝つ、スポーツ選手におけるストレス耐性(スポーツ心理学でいう、高ストレス状態でも高いパフォーマンスを発揮できること)に近いといえます。

ストレス耐性の磨き方

ストレス耐性を磨くためには何が必要でしょうか。ストレスを受けた状態で高いパフォーマンスを発揮できる人の特徴は、3つの要素(3つのC)から表現されます。

第一のCはcommitment(コミットメント)。やるべき仕事の達成に向けて全力で取り組む姿勢です。成果にコミットするには明確な目標設定が必要です。目標を決める際には、なるべく定量的な目標設定を行いましょう。

第二のCはchallenge(チャレンジ)。ビジネスの失敗をより高い成果を出すための好機として活用し、成功するまで何度でも挑戦する姿勢です。ビジネスでは一度失敗した事業が内容を少し変えることで大ヒットにつながることが多くあります。一度失敗してもPDCAを回して、何度でも“工夫して”(ここが重要)やり抜きましょう。

第三のCはcontrol(コントロール)。自分の考えや行動で状況を打開できると信じ、冷静に振る舞う姿勢です。景気動向や風評被害など他責に近い状態でも、自分のベストをつくせば状況は打開できるという気概を持ちましょう。

この3つを高いレベルで行える方は少ないと思いますが、一つひとつは日々の心がけで積み重ねできます。皆さまもストレス耐性を高めるために、まずはこの3つの要素を念頭に、日々のアクションや意識を変えてみてはいかがでしょうか。

AUTHOR浜野 清治(はまの きよはる)

経済産業大臣登録 中小企業診断士。大手企業の経営企画部門にて事業ビジョンやプロダクト開発戦略の策定業務に従事。中小企業診断士として、小売業、サービス業等様々な中小企業やNPO法人向けの事業計画策定支援、業務プロセス改革、営業力強化等の経営支援を実施。企業経営やマーケティングに関する記事を多数執筆。

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